黙祷: 一輪の花::P.52

原爆慰霊碑の前での大統領の黙祷のシーンです。 人々の心の中で、原爆・核兵器、つまりは暴力を信じる気持ちが、人間への信頼・相互理解・共感・愛を信じる気持ちで、代替されていくのです。

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大統領の長い黙祷が終わりました。目を上げたとき、大統領は泣いていました。
原爆ドーム(広島ということではありません)を背にした大統領 「大統領、お話を」
「今、私は、わが国が原子爆弾で殺した何十万人の人たちへ、献花をしました。私は、この献花で、わが国を悪と裁くものでは有りません。 もちろん、我々と戦ったあなたがたを悪と裁くものでも有りません。

誰かを悪だと裁くことは、
『私はその人を理解せずに憎みます、罰します、戦います』という、宣言以外の何物でもないからです」

原爆ドーム(広島ではありません)の前で大統領のスピーチ

〔ふりがな〕
だいとうりょうの ながい もくとうが おわりました。めをあげたとき、だいとうりょうは ないていました。 「だいとうりょう、おはなしを」 「いま、わたしは、わがくにが げんしばくだんで ころした なんじゅうまんにんの ひとたちへ、けんかをしました。 わたしは、このけんかで、わがくにを あくとさばく ものではありません。 もちろん、われわれと たたかった あなたがたを あくとさばくものでも ありません。 だれかを あくだとさばくことは、 「わたしは そのひとを りかいせずに にくみます、ばっします、たたかいます」という、せんげんいがいの なにものでもないからです」

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