愛 と 敵 |
東郷 潤 |
〔ふりがな〕 あい と てき とうごう じゅん |
(注)汝の敵を愛せ
この絵本は、キリスト教(聖書)の「しかし、聞いているあなたがたに言う。敵を愛し、憎む者に親切にせよ。」(ルカによる福音書6:27)という教えとは無関係です。 |
P.1
敵を愛すことは簡単です。誰にでも、出来るんですよ。 え? 嘘だろうって? なら、ちょっと想像してみましょうか。 |
〔ふりがな〕 てきを あいすことは かんたん です。だれにでも、できるん ですよ。 え? うそ だろうって? なら、ちょっと そうぞう してみましょうか。 |
P.2
さあ、敵のために、プレゼントを用意したと想像してください。
お菓子を買って、箱に入れてリボンをかけて。 |
〔ふりがな〕 さあ、てき のために、ぷれぜんと を ようい したと そうぞう してください。 おかしを かって、はこに いれて りぼんを かけて。 |
P.3
そして、あなたの敵のところに持っていきます。 |
〔ふりがな〕 そして、あなたの てきの ところに もって いきます。 「ぼくは きみの ことを あいしているんだ。だから ぷれぜんとを あげるよ。 |
P.4
ね、敵を愛すのって、簡単だったでしょう?
必要だったのは、ほんのわずかなお金だけ。
でもね、敵だと思っている人から愛を受け取ることは、とっても難しいのです。
とんでもありません!! |
〔ふりがな〕 ね、てきを あいすのって、かんたん だったでしょう? ひつよう だったのは、ほんの わずかな おかね だけ。 でもね、てきだと おもっている ひとから あいを うけとる ことは、とっても むずかしい のです。 え? あいされる ことこそ、かんたん だろうって? とんでもありません!! …ちょっと そうぞう してみましょうか。 |
P.5
今度は、あなたが敵だと思っている人から、プレゼントを貰ったとしますね。 |
〔ふりがな〕 こんどは、あなたが てきだと おもっている ひとから、ぷれぜんとを もらったと しますね。 「おれは おまえを あいしている。 これが その しょうこの ぷれぜんとだ。やるよ。 |
P.6
さあ、敵からのプレゼントです。箱の中には、何が入っているでしょう? 爆弾でしょうか? ・・・もしそうなら、箱を空けたら爆発するかも。 |
〔ふりがな〕 さあ、てき からの ぷれぜんと です。はこの なかには、なにが はいって いるでしょう? ばくだん でしょうか? ・・・もし そうなら、はこを あけたら ばくはつ するかも。 |
P.7
それとも、毒蛇? 箱を空けたら、噛付かれるかも。 |
〔ふりがな〕 それとも、どくへび? はこを あけたら、かみつかれる かも。 |
P.8
それとも、ばい菌? 箱を空けたら、伝染病になるのかも |
〔ふりがな〕 それとも、ばいきん? はこを あけたら、でんせんびょう に なるのかも |
P.9
むろん、敵が好きなものをくれるはずがありません! もし、本当にチョコレートなら、毒入りに決まっています!! |
〔ふりがな〕 「どうしたんだい? さあ、これは おいしい ちょこれーと だよ。 もらって おくれ。」 「いらないよ」 むろん、てきが すきなものを くれる はずが ありません! もし、ほんとうに ちょこれーと なら、どくいり に きまっています!! |
P.10
〔ふりがな〕 「おれさま からの ぷれぜんと だぞ! うけとれ!」 「いやだ! ぼくは まだ しにたくない!」 |
P.11
〔ふりがな〕 「これは ほんものの ちょこれーと だぞ! うけとれ! こら、うけとれ!!」 「いやだあーーー!! ぼくは まだ しにたくないんだ。 たすけてくれー!!」 |
P.12
ね、もう分かったでしょう?
愛することは、とっても簡単。
敵ですら簡単に愛せるんです。 でも・・・、愛を受け取ることは、命がけ! |
〔ふりがな〕 ね、もう わかった でしょう? あいする ことは とっても かんたん。 てき ですら かんたんに あいせる んです。 でも・・・、 あいを うけとる ことは、いのち がけ! |
P.13
だから、分かって! |
〔ふりがな〕 だから、わかって! 「ほんものの だいやの ゆびわ だぞ。 おれの あいを わかってくれ!」 「わかってー!」 「おまえたちの ための みんしゅしゅぎ だぞ なんで それが わからないんだ!?」 「わかってくれー!」 とうひょうようし |
P.14
あとがき -絵本「愛と敵」 |
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もし、あなたがこの絵本に共感されたなら、他の方にも読ませてあげていただければと思います。
本絵本は、自由にコピーして下さって結構です(商業出版はじめ金銭的な授受を伴う場合を除きます)。
また下記WEBからは、東郷潤の他の絵本やメッセージをダウンロードすることが出来ます。
www.j15.org |
©Jun Togo 2005 |
P.15
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