絵本「魔法のメガネ」では、善悪のメガネを掛けることで恐ろしい悲劇から目を逸らす、そんな心理を描きました。 …では、その善悪のメガネを掛け続けると、どうなるのでしょう? その心理は軍拡(軍備増強)にもつながるものです。
絵本「魔法のメガネ」では、イジメや戦争の恐ろしい悲劇にショックを受けた主人公が、「もう二度とメガネを外すものか」と決意をします。
そしてメガネを掛けた主人公は、「人が流す赤い血」を見ることはなくなります。
ではこうして、善悪のメガネを外さなくなった主人公の「その後」は、どうなるのでしょう?
この絵本は、善悪の錯覚に依存する人(善悪のメガネを掛け続ける人)の、「その後の世界」を描くものです。
その意味では、絵本「魔法のメガネ」の続編になりますが、作品としては独立したものです。
また、この絵本の「その後」について、ご関心をお持ちの方は、絵本「怯えた人々」を続けてお読みいただければと存じます。
その意味では、この絵本「見えない危険」は、絵本「怯える人々」の前編だとお考え頂くことも可能です。
さて、この絵本を読まれた読者の中には、「やっぱり善悪中毒は悪いことなんだ」と思われる方も、
中にはいらっしゃるかも知れません。
しかしながら、この絵本のテーマは、決して「勧善懲悪」などではありません。
この絵本が描いているのは、倫理的な事柄・宗教的な信念ではないのです。
そうではなく、この絵本が描いているのは、
「錯覚を利用し、錯覚に依存し、錯覚の中で生きれば、錯覚してしまう」という、ごく単純な帰結、ごく当たり前の原因と結果、つまりは「自然な流れ」に過ぎません。
さて、この絵本の最後で、怯えた主人公の女性はたくさんの武器を抱えます。つまり、重武装をします。
この主人公の女性を「国家」へ、武器を「兵器」へ、重武装を「軍備拡張」へと置き換えてお考え頂ければ、これは軍備拡張(軍拡)の心理にもつながるかも知れません。
人々の心の中の「恐怖」をそのままに、いくら軍備縮小・軍拡反対を叫んでも、実現は難しいでしょう。
力づくでそれを実現しようとすれば、戦争をするしか有りません。軍拡に反対する戦争、…これでは、大勢の人々の血が流されてしまいます。
しかしながら一方で、人々の心のうちに巣くう恐怖およびその恐怖の原因をきちんと見極め、そしてピンポイントで働きかけることが出来れば、人々の血を流す必要もなく、軍備縮小の道が見えてくるかも知れません。
人々が仲良く、調和の中で生きていれば、殺し合いをする必要など存在しないのです。
筆者の目には、善悪の錯覚は、あたかも工場で大量生産するがごとく、世界中にあふれているように見えます(これについては、絵本「教育マシン」をご参照下さい)。 その危険への気づきを人々へと広げることで、力・武器・軍備などに頼らず、心の内から無理なく世界を変えていく(平和な世界を実現する)可能性が、存在しているのではないでしょうか。
絵本の最後のページに、WEBメールを用意してありますので、あなたのご意見・ご感想をお寄せ頂ければ幸いです。
⇒絵本「見えない危険」のPDFファイルへ(こちらは、振り仮名を振っていません)
みえないきけん |
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| とうごう じゅん |
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筆者注; この絵本は心理的な錯覚、特に善悪中毒をテーマとするもので、色覚異常(色覚特性)について描くものではありません。 |