| 怒りは善悪で歪む |
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| 東郷 潤 |
| 〔ふりがな〕 いかりは ぜんあくで ゆがむ とうごう じゅん |
P.1
| 怒りは、人間や多くの動物にとって、ごく自然な感情です。 |
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| 愛が損なわれて生まれる怒りは、変形した愛そのものなのかも知れません。 |
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〔ふりがな〕 いかりは、にんげんや おおくの どうぶつにとって、ごくしぜんな かんじょうです。 こらあ！！ なにやってんだ！ あいが そこなわれて うまれるいかりは、へんけいした あいそのもの なのかもしれません。 |
| 〔参照絵本〕愛と怒り |
P.2
| 怒りには大切な役割があります。例えば喧騒の中で注意を引くとか・・・ |
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| 自分の痛みを相手に伝えるとか。 |
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〔ふりがな〕 いかりには たいせつな やくわりが あります。たとえば けんそうのなかで ちゅういをひくとか・・・ こらあ！ みんな せきにつけ！ じぶんの いたみを あいてに つたえるとか。 あんた、いたいんだよ！ ごめんなさい |
| 〔参照絵本〕 「注意をひけるよ」および 「伝えられるよ」 |
P.3
| 次の痛みを予防するとか。 |
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| 怒ることで信頼を示し友達が出来ることもありますね。 |
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〔ふりがな〕
つぎのいたみを よぼうするとか。 いたいでしょ！ もっときをつけてよ！ ごめんなさい。いご、きをつけます。 おこることで しんらいを しめし ともだちが できることも ありますね。 こら！ なにをする！ うわあ、ごめんごめん！ |
| 〔参照絵本〕 「予防できるよ」および 「友達になれるよ」 |
P.4
| こうして人々は怒りを利用し、世界をもっと安全で愛がいっぱいの場所にするはずでした。 |
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〔ふりがな〕
こうして ひとびとは いかりをりようし、せかいを もっとあんぜんで あいが いっぱいのばしょに するはずでした。 |
P.5
| ところが数千年前、善悪という錯覚のシステムが生まれ人類に広がって行ったのです。 |
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| そして怒りも、善悪で錯覚されるようになって来ました。 |
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〔ふりがな〕 ところが すうせんねんまえ、ぜんあくというさっかくの しすてむが うまれ じんるいに ひろがっていったのです。 そして いかりも、ぜんあくで さっかくされるように なってきました。 |
| 〔参照絵本〕魔法のメガネ |
P.6
| たとえば怒りを悪だと錯覚し、全ての怒りを抑圧する人がいます。 |
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| たまった怒りが爆発すれば、通り魔殺人が発生しちゃうかもしれません。 |
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〔ふりがな〕 たとえば いかりを あくだとさっかくし、すべての いかりを よくあつする ひとがいます。 みんな、ころしてやるー！ たまった いかりが ばくはつすれば、とおりま さつじんが はっせいしちゃう かもしれません。 |
| 〔参照絵本〕平和主義？ |
P.7
| あるいは、悪い人が怒る／悪い人を怒ると思い込む人々もいます。 |
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| 数えきれない虐殺が生まれるかもしれません。 |
| 〔ふりがな〕 あるいは、わるいひとが おこる／わるいひとを おこると おもいこむ ひとびともいます。 あくにんどもめ、みなごろしだ！！ かぞえきれない ぎゃくさつが うまれるかもしれません。 |
| 〔参照絵本〕優しい巨人 |
P.8
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今、怒りは善悪で歪み その役割を果たし辛く なりつつあります。 |
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| 〔ふりがな〕 いま、いかりはぜんあくでゆがみ、そのやくわりを はたしづらく なりつつあります。 |
P.9
あとがき |
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もし、あなたがこの絵本に共感されたなら、他の方にも読ませてあげていただければと思います。 本絵本は、自由にコピーして下さって結構です（商業出版はじめ金銭的な授受を伴う場合を除きます）。 また下記ＷＥＢからは、東郷潤の他の絵本やメッセージをダウンロードすることが出来ます。 www.j15.org |
| ©Jun Togo 2019 |
P.10
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