平和の絵本 No.7「北朝鮮の核実験と善悪中毒」

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第 7 号 2006-10-12 記

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☆ ご登録ありがとうございます。
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読者数:75名

こんにちは、東郷です。

前回9月17日の発行時には読者数56名でしたので、42日間で19名増加し
たこととなります。
ご登録いただいた方、ありがとうございます。M(--)M

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★「平和の絵本」のMIXIコミュ
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ほうじょうさんという読者の方が、「平和の絵本」のコミュニティをMIXIで
新設してくださいました。
純然たるボランティアで、東郷の知らない間に、作成してくださったものです。

MIXIの会員でなければアクセスできませんが、MIXI会員の方は、のぞい
てみていただければとご案内申し上げます。

http://mixi.jp/view_community.pl?id=1417731

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★北朝鮮の核実験と善悪中毒について
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「平和の絵本」では、特定の政治問題なり、利害関係とは、一定の距離を置くこ
とを方針としています。

残念ながら、善悪の発想を持つ方(=善悪中毒者)は大変に多く、具体的なテー
マに関して意見を述べれば、それはすぐに、「どっちの側?」という誤解につな
がり、一度誤解されたなら、善悪の葛藤に飲み込まれてしまいます。

したがって、例えばイラク戦争や、靖国神社のこと、憲法のことなど個別具体的
なことへの言及は、極力、行わないように心がけています。

いずれ善悪の発想から人々がより自由になれば(あるいは、善悪の話ではないよ、
という長い但し書きつきで)、より個別具体的なお話が出来るかも、とは思って
いるのですが…

さて、そのような制約を前提として、ですが、現在、トップニュースとなってい
る北朝鮮の核実験について、善悪の問題と絡めて、書ける範囲でコメントをして
みたいと思います。

読者の方の理解に、資することが出来れば幸いです。

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まず、北朝鮮を悪だ(もしくは、善だ)と思うことは、問題の本質から目をそら
すこととなる可能性が強いでしょう。

北朝鮮というのは、現実に存在する人間の集合体であり、社会であり、そこには、
いわば無限の顔があります。
中には、むろん常習的な犯罪者も存在するでしょうし、可愛らしい子供も大勢い
ます。

善だ・悪だと断定し認識することは、北朝鮮が持つ、こうした無限の顔から目を
ふさぐこととなる危険が強いのです。
北朝鮮には、何千万人という人々が、現実に、存在しているのですから。

例えば、日本が行う制裁措置は、現実に生きている人々の、生活や生命に関わり
ます。

誤解を避けるために言いますが、制裁措置が悪だ(or善だ)、と主張しているの
ではありません。
目をふさいで行動しては、危険だ/望む結果は得られない、と主張しています。

さらに言えば、「北朝鮮は核実験を行ったのは、北朝鮮が悪だからだ」では、な
ぜ北朝鮮が核実験を行ったのか、その動機を理解することは、難しいでしょう。
(参考;教育マシン‐歴史・道徳教育の罠
http://www.j15.org/Picturebook-Education/index.html)

動機・原因が見えなければ、むろん、原因を除去することも難しいのです。
つまり、核の脅威を減らすことも、難しくなります。

もし、核の脅威を減らしたいと思うならば、善悪で閉じた目を開ける必要がある
のです。

一方で、「戦後の日本は平和国家だ。だから善だ」と断定することも、日本への
認識を曖昧なものとします。

例えば、日本は戦後一貫して、米国が行う戦争を支持してきています(基地の提
供、軍費の負担、給油活動、国連での支持演説など)。

日本を善だと断定することは、「戦争を支持する日本の顔」から目をふさぐ可能
性があるでしょう。

むろん、「戦争を支持する日本は悪だ」と主張しているのでもありません。
もし、「戦争を支持する日本は悪だ」と断定し認識すれば、なぜ日本が戦争を支
持しているのか、その動機も、歴史的な背景も、日本が抱える恐怖も、理解でき
なくなってしまうでしょう。

もし、読者の方が「日本に戦争を支持して欲しくない」と思われるなら、日本が
戦争を支持しないためにも、戦争を支持する理由・動機を、目を見開いて見る必
要があるのです。むろん、その逆も成立します。

「禍福は糾える縄の如し」といいますが、善悪もまた糾える縄の如く見えます。
しかしながら、縄を解きほぐしていけば、善悪などという2分類の大雑把な話で
はない、はるかに具体的な理由・原因が、そこには必ず隠れているものです。

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★ 編集後記
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現在、日本へ出張中です。
新聞やテレビを見ると、善悪の大合唱のように見えます。
いやはや、この運動に課せられた使命は大きいものがあるなあ、と。

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