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★この絵本は、お金と経済の絵本集の1作品です。
自由貿易の星
コンテナ船の絵(イラスト)
東郷 潤

〔ふりがな〕
じゆうぼうえきのほし     とうごう じゅん

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〔解説〕自由貿易の星−比較優位?

 この絵本は、絵本「誰が為の競争」、「自由競争」に続いて、生産性向上の負の側面について描くものです。  各国が比較優位の産業に特化し自由貿易を行ったケースに関して、別の星の話として出来るだけ単純化し描いてみました。

 ちなみに、比較優位は、比較生産費説やリカード理論と呼ばれる学説の元となるもので、ウィキペディアでは以下のように説明されています。 「これは、自由貿易において各経済主体が(複数あり得る自身の優位分野の中から)自身の最も優位な分野 (より機会費用の少ない、自身の利益・収益性を最大化できる財の生産)に特化・集中することで、 それぞれの労働生産性が増大され、互いにより高品質の財やサービスと高い利益・収益を享受・獲得できるようなることを説明する概念である。」

 リカードが比較優位の概念を発表したのは、1817年とのことで、今からおよそ200年ほど前になります。 いうまでもなく当時と比較すれば、現在の労働生産性は比較にならないほど高くなっています。 もし、「いかに労働生産性をあげるか」という当時の問題意識をそのまま現代に当てはめたとしたなら、 それは無意味なだけではなく、大きな危険を伴うこととなるでしょう。

 筆者は個人的に、メタボのようなものかなあと考えています。 何万年もの間、飢餓に苦しむ人類にとって、いかに食うかは大変に重要な課題であり続けました。 しかしながら、飽食の時代になっても同じ問題意識をもって貪り食えば、メタボになって病気になってしまいます。

 人類の歴史上、比較にならないほどの高い労働生産性を実現した今、我々は経済のメタボを避けるためにこそ、知恵を絞る必要があるのです。

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