三島由紀夫氏の「葉隠入門」です。恐怖に心を押しつぶされている、臆病な主人公が、たまたま手にした1冊の本です。
藁をもつかむ思いで、彼は1冊の本を手にしました。 |
それはサムライの本でした。強くなって、少しでも恐怖を減らすための、ヒントが欲しかったのです。 |
〔ふりがな〕 わらをも つかむおもいで、かれは1さつの ほんを てにしました。 それは さむらいの ほんでした。つよくなって、すこしでも きょうふを へらすための、ひんとが ほしかったのです。 |
〔注〕「葉隠入門」三島由紀夫著(原文は山本常朝著)カバーデザイン田中一光 光文社。三島氏の割腹自決3年前に出版されたもの。 |