平和主義、非戦、非暴力… 素晴らしい理想ですが、善悪の錯覚が働くと、そんな理想も「通り魔殺人」の原因となってしまうかも? 普段は大人しく礼儀正しい、平和主義の青年が、突然、通り魔に変貌して殺人を犯す、この絵本では、そんな錯覚の心理を描きます。
「平和主義者が戦争を起こす」という言葉があるそうです。
その言葉の本来の意味は知りませんが、その言葉に触発されて、この絵本を書いてみました。
実際、平和主義・非戦・非暴力といった素晴らしい考え方/理想が(それ自体はいくら素晴らしいものであっても)、善悪二元論の錯覚の世界に落ち込むことにより、目的とは逆の働きをしてしまうことも有るではないでしょうか。
この絵本で描いたのは、通り魔殺人に通じる、善悪の錯覚の心理です。怒りという自然な感情を悪として、抑圧してしまう危険について描いたものです。
この「怒りを悪として抑圧してしまう心理」は、また多くの苛められっ子に共通して、観察することも出来るようです。
善悪の錯覚は、人々の心の隅々までに入り込み、心をゆがめ、あらゆる局面で、人間関係を複雑なものへと変えてしまいます。
無差別殺人・通り魔殺人というのは、極端な例ではありますが、「切れる」心理を考える上で、善悪の錯覚という視点は欠かせないものと筆者は考えています。
ちなみに、この「平和の絵本」は、世界平和を目指した活動です。しかしながら、「平和が善、戦争が悪」と主張する活動だとは考えておりません(もちろん、平和が悪、戦争が善だというのでもありません)。
平和や戦争を善悪で分類することに、私どもは興味を持ちません。私どもの活動は、物事を善悪で2分類し、その2分類の結果を主張するために有るのではありません。
いじめや戦争や犯罪など、様々な悲劇の原因となっている、善悪の錯覚といった気づきを広めることで、結果的により平和な世界、優しい社会を作っていくという活動だと考えています。
なお、この絵本では、苛められっ子の怒りが他人へと向かい、通り魔殺人の原因となりましたが、苛められっ子の怒りが、自分へと向かうこともあるでしょう。怒りが自分へと向かい、自殺に至った心理については、
絵本「罰とイジメと自殺のロンド」で取り上げています。
また、無差別殺人の心理についても、絵本「どっちだ?」他、複数の絵本で取り上げています。併せて、ご参照賜れればと存じます。
●あまり小さなお子様向きのテーマではないので、振り仮名はふっていません。
●絵本の最後のページに、WEBメールを用意してありますので、あなたのご意見・ご感想をお寄せ頂ければ幸いです。
⇒絵本「平和主義?」のPDFファイルへ
平和主義? |
|
―なぜ人は切れるのか? 通り魔殺人と善悪中毒― |
![]() |
| 東郷 潤 |