
根っこからイジメ・虐待問題を考える
イジメの心理的原因としては、やはり善悪中毒を避けて通るわけにはいきません。 視点によって(見かたによって)、全く同じ行為が、悪との戦いになり、またイジメにもなるのです。 朋子さんの水彩画でお楽しみください。 @少し、残酷なシーンがあります。
善悪中毒は子供のときから、まるで条件反射のような心の癖として、作られていきます。
何が何でも、悪ではなく善にならなければいけない。・・・これは多くの人々にとって強迫観念となっているようです。 この強迫観念は、たとえばこんな心理の流れからも形成されるでしょう。
多くの人々が強迫観念を共有すれば、それは増幅され、「現実」となるでしょう。
苛められないために、もっとも手っ取り早い方法は、苛める側に立つことです。 この心理が、イジメの発見を遅らさせ、またエスカレートさせると考えられます。 苛めることを拒否し、自分もまた苛められる危険に直面するか。それとも苛める側に立ち、当面の身の安全を図るか。 この選択は、時に大変深刻なものとなるでしょう。
固定化した被害者意識もまた、イジメ問題の解決を難しくするでしょう。
いじめ問題を、「イジメは悪。虐めっ子は悪い子」といった単純な構図でとらえても、その心理・原因を理解することは 出来ません。虐めっ子もまた、正義のために戦っているのかもしれない、そんな可能性をご理解ください。
次の二つの絵本は、イジメの原因としての善悪の働きを浮き彫りにするものです。 絵本「友達になれるよ」は善悪が無く、イジメも無い場合です。 絵本「僕はイジメっ子?」は善悪が有り、イジメが生まれる場合です。 比較してご覧下さい。
「仲良くしなさい」という命令が、イジメを生むこともあるでしょう。愛は命令では生まれません。
命令で愛が生まれるという誤解は、虐待の原因にもなるのです。次の絵本は子供への虐待がテーマです。
同じ錯覚から性的な虐待も生まれます。
これでイジメ・虐待問題に関するクイックツアーは終わりです。 こうした絵本を親子で話し合うときのキッカケ、学校のホームルームの教材など、状況に応じてご活用いただければ嬉しいです (参考 教育者の方へ ?平和の絵本を道徳教材としてご利用下さい)。 商業目的を除き、コピーはご自由にどうぞ(朋子さんの絵はコピー不可です。僕のオリジナルをご利用下さい)。印刷しやすいようにPDFファイルも用意してあります。
さて、この平和の絵本集には、この他にも引きこもりや戦争・心の悩みなど、様々なテーマの絵本がたくさんあります。 お時間があるときに、じっくりと他の絵本もお読みになって頂ければ嬉しいです。
ありがとうございました。
