彼は死を恐怖していたので、自分の死について考えることはありませんでした。 彼は病床で初めて否応なく、自分の死に向き合うこととなります。
・・・でも、ふと気づきました。体が思いのほか弱っていることを。 |
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もしかすると、俺は死ぬのか? |
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大変だ! 俺のお金や財産。 あの世にまで持っていけないじゃないか! 地位も権力も持っていけない。 |
・・・でもそれじゃ俺はあの世に 何を持って行けるんだ? |
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これほどがんばって成功したのに、 あの世まで持って行けるものは、何ひとつ無いじゃないか!? |
〔ふりがな〕 ・・・でも、ふと きづきました。からだが おもいのほか よわっていることを。 もしかすると、おれは しぬのか? たいへんだ! おれのおかねや ざいさん。 あのよにまで もって いけないじゃないか! ちいも けんりょくも もっていけない。 ・・・でもそれじゃおれは あのよに なにをもっていけるんだ? これほどがんばって せいこうしたのに、 あのよまで もっていけるものは、なにひとつ ないじゃないか!? |