ある日、酔っ払っている彼に、一人の老婆が話しかけて来ました。
「おや、可哀想にねえ。ずいぶん苦しんでいるじゃないか」 「誰だ? お前は」 「楽になりたかったらね、自分が殺した人たちに花を手向けるんだよ」 「な、なんだと!」彼はおばあさんを怒鳴りつけました。 |
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「じょうだんじゃない! 俺は、悪くない! あいつらは劣等民族だ! 進化した人間が野蛮人を殺すのは神の御心だ!」 怒った彼は、おばあさんを射殺してしまいました。 | |
〔ふりがな〕 あるひ、よっぱらっているかれに、ひとりのろうばが はなしかけてきました。 「おや、かわいそうにねえ。ずいぶん くるしんでいるじゃないか」 「だれだ? おまえは」 「らくになりたかったらね、じぶんが ころしたひとたちに はなを たむけるんだよ」 「な、なんだと!」かれは おばあさんを どなりつけました。 「じょうだんじゃない! おれは、わるくない! あいつらは れっとうみんぞくだ! しんかしたにんげんが やばんじんをころすのは かみのみこころだ!」 おこったかれは、おばあさんを しゃさつしてしまいました。 |