
一輪の花 |
-原爆を滅ぼすもの- |
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東郷 潤 |
〔ふりがな〕 いちりんのはな げんばくを ほろぼすもの とうごうじゅん |
解説「一輪の花-原爆を滅ぼすもの;核廃絶への道」について
花と原爆。その力を比べる術はありません。
と言いますか、花と原爆の力を比べようなどとは誰も思いもしないでしょう。
一輪の花には虫を傷つける力すら無く、一方の原爆には地球をも破壊できるほどの巨大な力があります。
花は無力な存在であり、原水爆はまさに力そのものです。
花が原爆に勝つなどということは、絶対に有りえない話です。
・・・本当にそうでしょうか?
核兵器は大変な破壊力を持つ恐ろしいものではありますが、それは決して人間を支配する主人ではありません。 それどころか、原爆、核兵器はたかだか人間が作り出したものに過ぎません。 それは人間が必要性に応じて自分の意志で研究し、作り出し、使用し、管理しているものです。つまりは人間が持つ数ある道具の一つに過ぎません。 言うまでもなく、道具は不要となった時点で捨てられるものです。核兵器という道具もまた人間にとって不要となれば捨てられ消滅するという運命を持っています。 原水爆といえども、「不要になったら捨てられる」道具としての運命を避ける力はありません。
・・・一輪の花が核兵器よりもはるかに強力な存在だというのは、夢物語ではありません。
核兵器という道具が、なぜ今の人間にとって必要なのか。そしてどうすればその必要性が無くなるのか。
この絵本は、一輪の花が原爆を滅ぼし核廃絶を達成するという物語です。
[筆者よりお願い]
この絵本は善悪中毒について、ある程度、理解された方を対象に執筆したものです。 もしあなたが善悪を大切なものとお思いであり、すぐに「どっちが悪いの?」等と考える心の癖をお持ちなら、 この絵本を読む前に、平和の絵本集(www.j15.org)の他の作品をご覧いただきますことを強くお勧めいたします。
少し残酷なシーンもありますが、この絵本には、人を傷つける恐ろしさなり、謝罪の大切さを教える教材としての利用価値は十分にあると考えています。 もし小さなお子様に読ませるなら、不安そうな態度を避けることを意識してください。保護者が落ち着いた態度を取ってさえいれば、小さな子供でも、かなりのストレスに耐えることが可能なものです。
この絵本の内容は全てフィクションです。現実世界と混同されないようにお願い致します。