「貴様、俺に謝れというのか! ふざけるな! 俺は悪くなんかない。俺は、自由と民主主義と人権と正義のために戦ったんだ!」
「分かっているわ」
「つまり、俺が悪いから、謝れということだろう!?」
「…どういうことなんだ?」
「自分の愛だって?」
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〔ふりがな〕 「きさま、おれに あやまれというのか! ふざけるな! おれは わるくなんかない。おれは、じゆうと みんしゅしゅぎと じんけんと せいぎのために たたかったんだ!」 「わかっているわ」 「え?」 「あなたが あくにんだなんて、だれがいったの?」 「だって、おまえは はなをたむけろと いうじゃないか!」 「そうですよ。わたしは、はなをたむけなさい といっているだけですよ」 「つまり、おれがわるいから、あやまれ ということだろう!?」 「そんなこと、ひとこともいっていないわ。はなを たむけなさいといっているだけ」 「…どういうことなんだ?」 「あなたが あくだなんていっていないの。あいてへの しぜんなどうじょうの きもちを おさえるなっていっているだけ。じぶんのあいを おさえて、どうするの!?」 「じぶんの あい だって?」 「そうよ、じぶんのあいよ」 |