honestでfrankでなければfairになりません。日本人の思いやり・礼儀正しさは、unfairだと誤解されることがあるようです。
そこで日本国が持つ平和ブランドを徹底的に利用するのです。この平和ブランドは現代日本が70年間育ててきたものに他なりません。 |
「なんて日本人は公正で平和を愛する民族なんだ! 日本人が悪だというのは全くの思い違いだった。こんなに立派な人々を基地で抑え込むのはバカバカしい!」と思ってもらえたとすれば、基地の返還もよりスムーズに進むことでしょう。 それを考えると米国(に限らず国連も含めて他国)の戦争にどこまで協力するのか、よくよく考えなければなりません。以下を意識的に選択する必要があるのです。 |
▼給油活動などの後方支援をどこまでするか・しないか。戦費は出すか・出さないか。国連や多国籍軍の活動に派兵するか・しないか。-選択3のBの(6)のa |
[注] ●日本文化では他者への思いやり・気配りが重視され、交渉においても自己主張は避けられがちです。 しかしながら西洋の方を相手に、日本式の交渉をすればバカにされる可能性が大きいでしょう。正直で率直な自己主張がとても大切だと考えられているからです。 つまり、米国に言われるままに、(その気もないのに)戦争協力を続けてもバカにされるだけ、となるかもしれません。 (こうした異文化間の誤解については、絵本「リンゴ異文化騒動記」をご参照ください。) ●自己主張が大切だと書いたこととやや矛盾しますが、日米交渉は決して対等な土俵で行われるものではありません。 P.3~4で見てきた通り、日本の首都圏は米軍基地で囲まれています。 東京の空も米軍管理。米軍関係者は日本側のチェック無しで米軍基地から出入りできます。つまり理論的に米国はいつでも実力行使することが可能です。 一方で自衛隊はワシントンに基地を持ってはおらず、実力行使の方法を持ちません。 この圧倒的な立場の差を考えると、米国に逆らう「選択/自己主張」をすることは簡単ではありません。つまり絵本に記した選択は、状況次第では大変に難しい選択です。 誤解を避けるために申し上げますが、筆者は米国が実力行使をすると言っているのではありません。しかしながらその可能性を想像するだけで、 日本側に大きなプレッシャーが生まれてしまいます。(参考絵本「「銃口の前」) |