世界の歴史を眺めれば、そこには血みどろの戦いがある。
人は、争いを繰り返し倦むことが無い。
「人間とはなぜ、これほど愚かなのか」と一度はあなたも、思われたことが有るのではないだろうか?
人間が「自分自身に今、一時的に欠点がある」と自覚することは、より成長するために必要なステップだ。自分自身を完全だと思えば、そこには成長の余地が無い。
しかしながら、自分自身を本質的に(一時的にではなく)欠陥品だと思っては、自分自身への信頼を根本的に無くしてしまう。本質的に愚かだ・悪だと思えば、やはり成長の可能性は消えてしまうだろう。
したがって、傷つき過ぎた自信/人間性への信頼を、人が癒し回復していくことは大変に重要だと考えられる。
本書のテーマも、まさに人間性への信頼回復にこそ存在する。そして、本書では、その手段として聖書に関して様々な想像をめぐらせるものだ。
—では、なぜ聖書なのか?
日本のキリスト教人口は1%程度に過ぎず、キリスト教の正典である聖書は日本人にとってそれほど馴染み深い書物ではない。従って、聖書の重要性は見過ごされやすい。
しかしながら、キリスト教は世界最大の宗教だ。現在、実に全人類の三分の一、約20億人は、キリスト教徒なのだ。イスラム教徒の人口は、その半分強。日本人に多い仏教徒の人口は、キリスト教徒の五分の一以下に過ぎない。�@
また世界一の超大国、アメリカについて言えば国民の約8割がクリスチャンだ(⇒文末 参考1)。歴代のアメリカ大統領も全員がクリスチャンであり、その精神生活は、いくばくかの聖書の影響を受けていると想像できる。
また、米国民の約8割は、聖書を神に由来するものと信じている。�A
そもそもアメリカは、教会の権威を否定し聖書の権威を重視するプロテスタント�Bたちの手で建国されたという歴史的背景を持っているのだ。(一方、ヨーロッパはカソリックの割合が高く、教会の権威がより重視される傾向を持つ。)
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