教えが広がると同時に、教えに対する錯覚もまた広がりました。多くの人々は錯覚の怖さを知らず、無抵抗のまま、 錯覚の罠にはまってしまったのです。
ところが残念なことに、この教えを錯覚する丸人も少なくはありませんでした。
彼らは願いに反して、原因も分からぬままに少しずつ不幸になって行きました。それはこんな風に、です。 | |
●他人を愛せ。 ⇒ 愛が命令で生まれると錯覚 ⇒ 嘘、虐待、争いが増加する。
●善を愛せ。悪と戦え。悪人は神に呪われ、地獄へ落ちる。 ⇒ 地獄の恐怖に駆られた人々が、善になるために悪を探し、悪と戦っていると錯覚し、互いに争う。 ●異教徒は悪魔だ。 ⇒ 違う教えを信じる人たちを悪魔だと錯覚し、攻撃する。 ●人は罪深い ⇒自分を罪深い悪人だと錯覚し、狂暴化する。 | |
〔参考絵本〕 ●愛せという命令への錯覚が、嘘、虐待、戦争といった悲劇を生んでしまう心理については、 絵本「愛と嘘」 「愛と敵」 およびオムニバス絵本集「愛を命令しないで」 をご参照ください。なおこの頁の絵は、オムニバス絵本集「愛を命令しないで」の中の絵本 「子供を愛しなさい-児童虐待の深層心理」で使ったものです。 ●地獄の恐怖が、人間を狂暴化させる心理については、絵本 「良い子にならなきゃ」 「悪夢からの逃走」等をご参照ください。 ●善悪の錯覚が、争いを生む心理については、 善悪という命令シリーズ(12本)、 「終わりの無い物語」 「魔法のメガネ」 「パブロフの犬」等をご参照ください。 ●異教徒は悪魔だという教えへの錯覚が、他者への攻撃につながる心理については、絵本 「不安な初対面」、 「見ず知らず」、 「宇宙の異教徒」をご参照ください。 ●人は罪深いという教えへの錯覚が人間を狂暴化させる心理については、絵本 「私は悪い人間です」をご参照ください。 |
〔ふりがな〕 ところが ざんねんなことに、このおしえを さっかくする まるじんも すくなくは ありませんでした。 かれらは ねがいにはんして、げんいんもわからぬままに すこしずつふこうに なっていきました。それはこんなふうに、です。 ●たにんをあいせ ⇒ あいが めいれいでうまれると さっかく ⇒ うそ、ぎゃくたい、あらそいが ぞうかする。 ●ぜんをあいせ。あくと たたかえ。 あくにんは かみにのろわれ、じごくへおちる。 ⇒ じごくの きょうふに かられたひとびとが、ぜんになるために あくをさがし、あくとたたかっているとさっかくし、たがいに あらそう。 ●いきょうとは あくまだ ⇒ ちがうおしえを しんじるひとたちを あくまだとさっかくし、こうげきする。 ●ひとはつみぶかい ⇒ じぶんをつみぶかい あくにんだと さっかくし、きょうぼうかする。 |