人種への認識の変化;山は見えない;;差別に関する絵本集 P.46

またもや丸人の人種への認識に変化が生じました。 とはいえ、全ての丸人が持つ人種への認識が変化したわけではありません。 丸人は数百年、自分たちは優越人種だという妄想にしがみつき、自己正当化をはかり、世界征服をし、 社会システムも法律も倫理も全て人種不平等を前提に成立させていたのです。 そうした強固な妄想を打ち砕くのは簡単なことではありません。

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さて丸人の中には、崇高な自己犠牲こそが劣等人種と優越人種の違いだと信じている人々がいました。 自己犠牲を払って反抗する三角人も、過去に存在はしたのですが、1万人を優に超える規模の特攻/自己犠牲を目撃するのは、 この星の歴史上で初めてのことだったのです。 そんな彼らには、爆弾と一緒に体当たりしてくるノウソの若者たちが劣等人種だとは思えなくなりました。 つまり、三角人が劣等である、という認識が変わってしまったのです。
人種への認識が変化する絵(イラスト)
こうして、この星の人々(丸人も三角人も)の「三角人は劣等人種」という常識は、繰り返し打ち破られ、 大いに動揺したのです。実際、三角人を劣等だとは思えなくなった人々も少なからず存在しました。

〔ふりがな〕
さて まるじんのなかには、すうこうな じこぎせいこそが れっとうじんしゅと ゆうえつじんしゅの ちがいだと しんじている ひとびとがいました。じこぎせいを はらって はんこうする さんかくじんも、 かこに そんざいはしたのですが、1まんにんを ゆうにこえる きぼの とっこう/じこぎせいを もくげきするのは、このほしの れきしじょうで はじめてのこと だったのです。そんなかれらには、 ばくだんと いっしょに たいあたりしてくる のうそのわかものたちが れっとうじんしゅだとは おもえなくなりました。 つまり、さんかくじんが れっとうである、というにんしきが かわってしまったのです。 こうして、このほしのひとびと(まるじんもさんかくじんも)の 「さんかくじんは れっとうじんしゅ」というじょうしきは、くりかえしうちやぶられ、 おおいに どうようしたのです。じっさい、さんかくじんを れっとうだとは おもえなくなったひとびとも すくなからず そんざいしました。

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