激しい戦争の中でノウソの兵士たちは、丸人に対して、すさまじい勇気と闘志を見せつけました。
戦争は何年も続きました。 丸人の兵士たちが戦うのは、もちろん、勝つためです。戦争で死ぬなど、バカバカしいことに他なりません。 一方でノウソの兵たちが戦ったのは、勝つためではありません。 はじめから勝てる見込みがない戦争です。負けて殺される運命は避けられません。 ただ、死に行く過程で意地を・勇気を・誇りを見せるぞと。 つまり、ノウソの兵たちの戦いの目的は、死にざまを見せることだったのです。 それは、劣等人種として扱われ、たまりにたまった怒りをぶつけることでもありました。 |
〔注〕 読者の中には「同期の桜」(咲いた花なら散るのは覚悟。見事散りましょう? 作詞:西條八十)といった軍歌を連想される方もいらっしゃるかもしれませんが、無関係です。 |
〔ふりがな〕 せんそうは なんねんも つづきました。 まるじんのへいしたちが たたかうのは、もちろん、かつためです。せんそうで しぬなど、ばかばかしいことに ほかなりません。 いっぽうで のうそのへいたちが たたかったのは、かつためでは ありません。はじめから かてるみこみがないせんそうです。まけてころされる うんめいは さけられません。ただ、しにいくかていで いじを・ゆうきを・ほこりを みせるぞと。つまり、のうその へいたちの たたかいのもくてきは、しにざまを みせることだったのです。それは、れっとうじんしゅ としてあつかわれ、たまりにたまった いかりを ぶつけることでもありました。 たまも つきた。さいごの とつげきだ |