「沈黙は金」 「敗軍の将、兵を語らず」 「言い訳をするのは、みっともない」 こんな考え方が、異星の国ノウソには存在しました。
一方で、同胞を非難することを拒んだ、ノウソの生存者のほとんどは、ただ口をつぐみました。
なぜ戦ったのか。そこにはどんな怒りがあったのか。言いたいこと全てを腹の中に飲み込みました。
占領下で他に選択肢は無かったのですが、それだけではなく個人の会話レベルでも「言い訳をするのは恥ずかしい」という彼ら独特な美意識があったのです。 また、せめて自分達が悪だということを受け入れることで、これから長く占領下で生きることとなるノウソの子供たちへ、善悪の目隠しをしてあげようという、親心もあったのかも知れません。 |
〔ふりがな〕 いっぽうで、どうほうを ひなんすることを こばんだ、のうその せいぞんしゃの ほとんどは、ただくちを つぐみました。なぜ たたかったのか。 そこには どんないかりがあったのか。いいたいこと すべてを はらのなかにのみこみました。 せんりょうかで ほかにせんたくしは なかったのですが、それだけではなく こじんの かいわれべるでも「いいわけをするのははずかしい」という かれら どくとくな びいしき があったのです。 また、せめて じぶんたちが あくだということを うけいれることで、これから ながくせんりょうかで いきることとなる のうそのこどもたちへ、 ぜんあくの めかくしを してあげようという、おやごころも あったのかもしれません。 せんそうが おわったのに、なんで いつまでも がいこくの ぐんたいがいるの? それはね、われわれ のうそが わるかったから、しかたないんだよ |